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大学受験の数学Ⅲの複素数平面で\(\frac{π}{2}\)があったら意識した方がいいことを解説
複素数平面で問題文を読んだり問題から\(\frac{π}{2}\)を見つける時がありますが意識した方がいいことがあり気がつけないと問題を解けない可能性があります。
意味が分からないと思うので入試問題で説明をします。
複素数平面上で互いに異なる3つの複素数\(z,z^2,z^3\)を表す点をそれぞれ\(A,B,C\)とする。
\(\angle CAB=\frac{π}{2},|z|=2\)が成り立つ時\(z\)を求めよ。(名古屋工業大学 改)
問題を図にすると↓です、図が絡んだ問題なのに図を書かない人が結構いますが必ず書きましょう。
複素数平面で\(\frac{π}{2}\)があったら回転を使う可能性がある
\(\angle CAB=\frac{π}{2}\)なので回転を考えます、ABを回転してACと考えます。(ACを回転してABと考えてもいいです)
ABを表す複素数は\(z^2-z\)でACを表す複素数は\(z^3-z\)なので回転を表す式は↓になります。
\(z^3-z = (z^2-z)r\{cos(\pm\frac{π}{2})+isin(\pm\frac{π}{2})\}\)(rは実数)となり右辺を展開します。
すると\(z^3-z = (z^2-z)(\pm ri)\)となり右辺を\(\pm ri\)にします。
すると\(\frac{z^3-z}{z^2-z}=\pm ri\)・・・①となります。
複素数平面の式で純虚数があったらこれを使うかも
例えばですが「複素数\(w\)が純虚数」の時の条件式があるのですが知っていますか?
教科書にも載っていると思いますが\(w=-\overline{w}\)かつw≠0・・・②です。
①の右辺が純虚数なので②を使います。
すると\(\frac{z^3-z}{z^2-z}=-\overline{\frac{z^3-z}{z^2-z}}\)・・・③となります。
\(\frac{z^3-z}{z^2-z}\)≠0は問題文に「互いに異なる3つの複素数\(z,z^2,z^3\)」と書いてあり常に成り立つので考えません。
式変形をする時はやみくもにやってはいけない
③を式変形しますが求めたい物は\(z\)で\(\overline{z}\)は邪魔ですよね。
だから\(\overline{z}\)を消すのですが問題文に\(|z|=2\)があるので両辺を2乗して使います。
複素数平面で絶対値がある時の使い方は解説していますのでそれを見て下さい。
\(|z|^2=4\)より\(z\overline{z}=4\)
よって\(\overline{z}=\frac{4}{z}\)・・・④となり③に代入するために③のバーを振り分けますが分母と分子を因数分解すると約分できそうなのでまず両辺を因数分解してコンパクトな式にしてから④を代入します。
すると\(\frac{z^3-z}{z^2-z}=-\overline{\frac{z^3-z}{z^2-z}}\)
\(\frac{z(z+1)(z-1)}{z(z-1)}=-\overline{\frac{z(z+1)(z-1)}{z(z-1)}}\)
\(z+1=-\overline{z+1}\)
\(z+1=-\overline{z}+1\)
④を代入して\(z+1=-\frac{4}{z}-1\)となり両辺に\(z\)をかけます。
すると\(z^2+2z+4=0\)となり解の公式を使って\(z\)を求めると
\(z=-1\pm \sqrt{3}i\)となります。
地方国立大学の採点のやり方って気になりませんか?
解答を説明しながら書いていますが国立大学の採点のやり方って気になりませんか?
旧帝大みたいな偏差値が凄く高い所は採点基準はありますが地方国立大学の場合は恐らくないです。
私は大学、大学院が地方国立大学ですが自分の指導教官から採点について聞いていて「ここまで教えていいの?」っていう位採点のやり方を教えてくれて引きました。
採点のやり方を知らない受験生がほとんどのはずですが「こんなことが許されるの?」って思う位理不尽です。
次はこの入試問題です。
複素数平面上で3つの複素数\(z,z^2,z^3\)の表す点をそれぞれA,B,Cとする。
ただし3点A,B,Cは互いに異なっているとする。
このとき\(\angle ACB\)が直角になる複素数\(z\)の全体が表す図形の式を求めよ。(名古屋工業大学 改)
まず簡単に図を書くと↓です。
\(\angle ACB=\frac{π}{2}\)なので回転を考えます、BCを回転してACと考えます。(ACを回転してBCと考えてもいいです)
BCを表す複素数は\(z^2-z^3\)でACを表す複素数は\(z-z^3\)なので回転を表す式は↓になります。
\(z-z^3 = (z^2-z^3)r\{cos(\pm\frac{π}{2})+isin(\pm\frac{π}{2})\}\)(rは実数)となり右辺を展開します。
すると\(z-z^3 = (z^2-z^3)(\pm ri)\)となり右辺を\(\pm ri\)にします。
すると\(\frac{z-z^3}{z^2-z^3}=\pm ri\)となり右辺は純虚数です。
純虚数がある時の条件を使うと↓になります。
すると\(\frac{z-z^3}{z^2-z^3}=-\overline{\frac{z-z^3}{z^2-z^3}}\)となります。
複素数平面の軌跡の問題ではこうする
問題文に「複素数\(z\)の全体が表す図形の式を求めよ」と書いてあるので軌跡の問題と判断できます。
複素数平面の軌跡の問題では動く点を\(x+yi\)(\(x,y\)は実数)と置きます。
この問題では\(z\)の全体が表す図形を考えるので\(z=x+yi\)と置きます。
\(\frac{z-z^3}{z^2-z^3}=-\overline{\frac{z-z^3}{z^2-z^3}}\)・・・①で\(z=x+yi\)(\(x,y\)は実数)と置いて代入する前にコンパクトな式にします。
\(\frac{z-z^3}{z^2-z^3}=\frac{z(1-z)(1+z)}{z^2(1-z)}=\frac{1+z}{z}\)とできるので①は↓になります。
\(\frac{1+z}{z}=-\overline{\frac{1+z}{z}}\)
そして\(z=x+yi\)(\(x,y\)は実数)と置いて代入します。
すると\(\frac{1+x+yi}{x+yi}=-\overline{\frac{1+x+yi}{x+yi}}\)
両辺に\((x+yi)(\overline{x+yi})\)をかけて
\((1+x+yi)(\overline{x+yi})=-(x+yi)(\overline{1+x+y}i)\)
そして両辺のバーをバラして展開してまとめると↓になります。
すると\(x^2+x+y^2=0\)となります。
最後はこの入試問題です。
複素数平面において三角形の頂点O,A,Bを表す複素数をそれぞれ0,α,βとするとき線分OAの垂直二等分線上の点を表す複素数\(z\)は\(\overline{α}z+α\overline{z}-α\overline{α}\)を満たすことを示せ。(山形大学 改)
大体の図を書くと↓です、OAの中点をMとし垂直二等分線上の点をPとしています。
垂直があるので回転を考えます、PMを回転してAMになると考えます。
\(α-\frac{α}{2} = (z-\frac{α}{2})r\{cos(\frac{π}{2})+isin(\frac{π}{2})\}\)(rは実数)となり右辺を展開します。
すると\(\frac{α}{2} = (z-\frac{α}{2})(ri)\)となり右辺を\(ri\)にします。
すると\(\frac{\frac{α}{2}}{z-\frac{α}{2}}=ri\)となり右辺は純虚数です。
純虚数がある時の条件を使うと↓になります。
すると\(\frac{\frac{α}{2}}{z-\frac{α}{2}}=-\overline{(\frac{\frac{α}{2}}{z-\frac{α}{2}})}\)となります。
この式を分数じゃなくしてただまとめると\(\overline{α}z+α\overline{z}-α\overline{α}\)になり証明が完了します。
理系は数学Ⅲの勉強に力を入れた方がいい
数学Ⅲは解き方を覚えれば基本的に即点数に繋がるし国立大学を受験する人は2次試験で逆転合格できるかもしれません。
私はセンター試験で失敗してD判定に近いC判定でしたが2次試験で逆転合格できました。
説明を終わります。