目次
極形式を作る問題はやることが割と決まっている
複素数平面で極形式を作らないといけない問題がありますがそんなに難しくないです。
極形式は
\(z=r(cosθ+isinθ)(r>0,0<θ≦2π)\)ですがポイントは\(sinθ\)と\(cosθ\)の間の符号を「+」にすることと\(r>0,0<θ≦2π\)を作ることです、θは\(-π<θ≦π\)でもいいです。
rを絶対値、θを偏角と言いますが偏角に関しては\(0<θ≦2π\)と\(-π<θ≦π\)は単位円周上の1周になっているので「1周に入っていればいい」と覚えましょう。
具体的な問題で解説します。
次の複素数を極形式で表せ。ただし,偏角θは\(0<θ≦2π\)とする。
(1)\(cosθ-isinθ(0<θ<2π)\)
(2)\(sinθ+icosθ(0≦θ<\frac{π}{2})\)
(3)\(1+cosθ+isinθ(0≦θ<π)\)
sinとcosの間の符号は+
(1)cosθとsinθの間の符号が「-」になっているので「+」にしないといけません。
だから\(cosθ-isinθ=cosθ+i(-sinθ)\)と式変形します。
sinとcosの係数は+
\((-sinθ)\)を\((sin(偏角))\)にしないといけないので\(sin(-θ)\)とします、偏角は「-」がついても大丈夫です。(後の説明を読めば分かります)
sinとcosの偏角は同じにしないといけない
だから
\(cosθ+i(-sinθ)=cos(-θ)+isin(-θ)\)・・・①とします、\(cos(-θ)\)にしたのはsinとcosの偏角を同じにしないといけないからです。
これで一応極形式の形になったので絶対値と偏角のチェックをしないといけません。
\(z=r(cosθ+isinθ)\)の形にしてから必ずチェックしないといけないこと
絶対値(r)は\(r>0\)で偏角(角度)は\(0<θ≦2π(-π<θ≦π)\)に入ってないといけないです、偏角は単位円周上の1周になっているので一周になっていれば\(0<θ≦2π(-π<θ≦π)\)じゃなくてもいいです。
この確認をしないと記述では絶対減点になるので必ずしましょう。
①は\(cos(-θ)+isin(-θ)\)で絶対値>0で問題文に\(0<θ<2π\)とあるので
\(-2π<θ<0\)となり一周に入っているから大丈夫です。
よって①は極形式と言えます。
地方国立大学の採点のやり方って気になりませんか?
解答を説明しながら書いていますが国立大学の採点のやり方って気になりませんか?
旧帝大みたいな偏差値が凄く高い所は採点基準はありますが地方国立大学の場合は恐らくないです。
私は大学、大学院が地方国立大学ですが自分の指導教官から採点について聞いていて「ここまで教えていいの?」っていう位採点のやり方を教えてくれて引きました。
採点のやり方を知らない受験生がほとんどのはずなので記事にしています。
(2)\(sinθ+icosθ\)・・・②は\(sinθ\)と\(cosθ\)の位置が逆なので極形式ではありません、だから逆にします。
偏角を変えて元に戻るものを選ぶ
やり方は\(cosθ+isinθ\)を勝手に持ってきて\(θ\)を\(θ+\frac{π}{2}\)や\(θ+π\)や\(θ+2π\)にいったん変えて加法定理を使って元に戻る((2)の形になる)ものを選べばいいです。
具体的にやってみせるとこうです。´
\(cos(θ+\frac{π}{2})+isin(θ+\frac{π}{2})=-sinθ-icosθ\)となり②ではない。
\(cos(θ+π)+isin(θ+π)=-cosθ-isinθ\)となり②ではない。
\(cos(\frac{π}{2}-θ)+isin(\frac{π}{2}-θ)=sinθ+icosθ\) となり②と一致。
よって\(sinθ+icosθ=cos(\frac{π}{2}-θ)+isin(\frac{π}{2}-θ)\)とできて絶対値と偏角のチェックをします。
絶対値は1なので大丈夫です、変革は\(\frac{π}{2}-θ\)ですが(2)の問題文の\(0≦θ<\frac{π}{2}\)から\(0<\frac{π}{2}-θ≦\frac{π}{2}\)となり一周に入っているから大丈夫です。
よって(2)は極形式と言えます。
一度解いたことがないと恐らく解けない
受験には1度解いたことがないと解けない問題がありますが(3)がそれだと思います、この問題は入試で出題されたことがあります。
どうやるかですが\(1+cosθ+isinθ\)の\(1+cosθ\)にcosの半角の公式を使います。
\(cos^2θ=\frac{1+cos2θ}{2}\)より\(1+cos2θ=2cos^2θ\)ですが左辺の2θをθにすると\(1+cosθ=2cos^2\frac{θ}{2}\)です。
よって\(1+cosθ+isinθ=2cos^2\frac{θ}{2}+isinθ\)・・・③となり\(isinθ\)の\(θ\)を\(\frac{θ}{2}\)にするためにsinの2倍角の公式を使います。
\(sin2θ=2sinθcosθ\)ですが左辺の2θをθにして\(sinθ=2sin\frac{θ}{2}cos\frac{θ}{2}\)となります。
よって③=\(2cos^2\frac{θ}{2}+i2sin\frac{θ}{2}cos\frac{θ}{2}\)となり極形式の形にします。
共通部分\(2cos\frac{θ}{2}\)でくくって
\(2cos\frac{θ}{2}(cos\frac{θ}{2}+isin\frac{θ}{2})\)となり一応極形式の形になりました。
だから絶対値と偏角のチェックをします。
絶対値は\(2cos\frac{θ}{2}\)ですが(3)の問題文に\(0≦θ<π\)があるので正です。
偏角は\(\frac{θ}{2}\)ですが1周に入っています。
よって(3)は極形式と言えます。
理系は数学Ⅲの勉強に力を入れた方がいい
数学Ⅲは解き方を覚えれば基本的に即点数に繋がるし国立大学を受験する人は2次試験で逆転合格できるかもしれません。
私はセンター試験で失敗してD判定に近いC判定でしたが2次試験で逆転合格できました。
説明を終わります。