大学受験

大学受験の数学ⅡとⅢの不等式の証明問題が誰でも理解できる記事

2021年10月19日

「不等式の証明ができたりできなかったりでやり方がわからないな〜」といった悩みに当サイト(数がく部)の管理人でありある医学部受験予備校の看板講師講師のいさじがお答えします。

一貫性のない解き方をするのは受験的によくない

不等式の証明は慣れてないと難しいですよね。

私が受験生の時はいつもなんとなく解いていてできたりできなく問題の難易度が少しでも上がると問題が解けずいつも行き当たりばったりの解き方でした。

こうなった原因は学校の先生がいい加減な説明をしていたからです。(そういう先生が多いですが、、)

解けたり解かなかったりする解き方はダメなやり方です、入試に失敗する可能性があるので。

一貫性があるやり方をしないといけません。

教える側になった今では不等式の証明の手順が分かりますので説明しますがこの記事を読めば独学でも勉強できると思います。

不等式の証明が分からなくて困っている人にこの記事を読んでもらえたら嬉しいです。

不等式の証明を始めたばかりの人と一応習ったことがある人の2通りの説明をします。

それでは説明します。

数学Ⅱと数学Ⅲの教科書に不等式の証明がありますがどっちにも対応しています。

ただ説明を読むのではなく紙に解答を書きながら読んで欲しいです。

不等式の証明を始めたばかりの人はとにかくこうすればできます。

最初は慣れないといけないので解き方をとにかく覚えて定期テストで点を取れるようにしましょう。

↓で出てくる\(f(x)\) と \(g(x)\) は一般的な式です 。

\(f(x) = x+3\)、\(g(x) = x^2+3x\)とかをイメージしてください。

不等式の証明は\(f(x) > g(x)\)(または\(f(x) < g(x)\)を示します。

最初に習う時は\(f(x) > g(x)\)の証明をする所が多いと思いますので\(f(x) > g(x)\)の証明をします。

右辺の\(g(x)\)を左辺に移行して\(f(x)-g(x)>0\)を示します。

こういう手順で証明する

\(f(x)-g(x)\)が0より大きいことを示しますが手順は覚えましょう、「とにかくこうする」と覚えた方が楽です。

初めて見る分野を習いたての時は理屈うんぬんよりもとにかく慣れて、そして理屈を知った方が定着率がいいです。

↓です。

1、\(f(x)-g(x)\)を因数分解する

2、\((f(x)-g(x)\)の最小値)>0を示す

では簡単な問題で解き方の説明をします。

まずは因数分解で証明ができるタイプです。

\(a > b , x > y\)のとき \((a+2b)(x+2y) < 3(ax+by)\)を示せ。

この問題では\(f(x) > g(x)\)を示す際の\(f(x)\)に当たるのが\(3(ax+b)\)で\(g(x)\)に当たるのが\((a+2b)(x+2y)\)になります。

だから\(f(x) – g(x) > 0\)を示すので\(3(ax+by)-(a+2b)(x+2y) > 0\)を示します。

↑で説明したのですが\(3(ax+by)-(a+2b)(x+2y) > 0\)の示し方はまず因数分解を考えるので\(3(ax+by)-(a+2b)(x+2y)\)を展開します。

すると\(3(ax+2by)-(a+2b)(x+2y)\)

\(=(3ax+6by)-(ax+2ay+2bx+4by)\)

\(=(2ax+2by)-2ay-2bx)\)

\(=(2ax-2bx+2by-2ay)\)

\(={2x(a-b)-2y(a-b)}\)

\(=2(a-b)(x-y)\)となります。

ここで\(a > b , x > y\)なので\(a – b > 0 , x – y > 0\)となるから

\(=2(a-b)(x-y) > 0\)となります。

よって\(3(ax+2by)-(a+2b)(x+2y) > 0\)なので

\((a+2b)(x+2y) < 3(ax+by)\)が成り立ちます。

次はこれです。

\((a^2+b^2)(x^2+y^2) ≧ (ax+by)^2\)を示せ。

また等号成立条件を書け。

まず不等式が成り立つことを示します。

\((ax+by)^2\)を左辺に移行して\((a^2+b^2)(x^2+y^2) – (ax+by)^2 ≧ 0\)を示します。

\((a^2+b^2)(x^2+y^2) – (ax+by)^2 ≧ 0\)の示し方は因数分解をします。

\((a^2+b^2)(x^2+y^2) – (ax+by)^2\)

\(=(a^2x^2+a^2y^2+b^2x^2+b^2y^2)\)

\(- {(ax)^2+2abxy+(by)^2}\)

\(=a^2y^2-2abxy+b^2x^2\)

\(=(ax+by)^2\)

\(≧ 0\)となります。

よって\((a^2+b^2)(x^2+y^2) – (ax+by)^2 ≧ 0\)が成り立つので

\((a^2+b^2)(x^2+y^2) ≧ (ax+by)^2\)が示せます。

次は等号成立条件です。

等号成立条件って何?

等号成立条件は何かというと証明した不等式\((a^2+b^2)(x^2+y^2) ≧ (ax+by)^2\)において「「≧」が「=」になる時はどんな時ですか?」ということです。

等号成立条件でよく使うのが証明が終わる直前あたりの式です。

解答の「\((ax+by)^2 ≧ 0\)」((*)のこと)です。

\((ax+by)^2 = 0\)の時を考えてax+by=0となります。

最後はこれです。

「\((f(x)-g(x)\)の最小値)>0を示す」タイプです。

「\(a^2+3b^2 ≧ 3ab\)を示せ」

\(3ab\)を右辺に移行します。

そして\(a^2+3b^2 – 3ab ≧ 0\)を示します。

\(a^2+3b^2 – 3ab\)は因数分解ができないので\((a^2+3b^2 – 3ab)\)の最小値\(≧ 0\)を示します。

文字が2種類以上ある時はこうする

文字はaとbの2種類あるのでどっちかの文字の式と見ます。

aの式と見ます。(bでもいいです)

次数が高い順に書くと

\(a^2-3ba+3b^2\)となり最小値を求めるために平方完成をします。

\((a-\frac{3b}{2})^2+\frac{3b^2}{4}\)となり

最小値は\(\frac{3b^2}{4}\)で\(\frac{3b^2}{4} ≧ 0\)なので\(a^2+3b^2 – 3ab ≧ 0\)がいえます。

よって\(a^2+3b^2 ≧ 3ab\)を示ました。

とにかく問題を解いて慣れましょう。

次は不等式の証明を一応習ったことがある人用の説明です。

次は一応習ったことがある人用の説明です。

\(f(x) – g(x) > 0\)を示します。
( \(g(x) – f(x) < 0\)を示すのでも大丈夫です)

こう考える理由

理由は\(f(x)\)と\(g(x)\)を直接比較するよりも
\(f(x) – g(x) \)を一つの式にして0との比較にした方が証明が楽だからです。

例えば\(f(x) = cosx\)、\(g(x) = 1\)を直接比較すると比較しにくいです。

でも\(h(x) = cosx – 1\)として0との比較にした方が楽だからです。
(意味が分からなかったらとにかく「\(f(x) – g(x) > 0\)を示す」と思えば大丈夫です)

超重要な証明のやり方、まずこうする

\(f(x)-g(x) \)>0を示す時ですが「>0」を示すのは「正という符号の判断」になります。

符号の判断のやり方は「積の形」がやりやすいので因数分解です。

符号の判断には因数分解がいいということについて以前記事を投稿しています。

この記事を読むと符号の判断がなぜ因数分解なのか理解できると思います。

因数分解について解説している記事はここから

因数分解がダメならこうする

因数分解ができない時は(f(x)-g(x)の最小値)>0を示します。

理由は\(f(x) – g(x)\)の最小値が0より大きいことが示せたら他は最小値より大きいので0より大きいことが示せるからです。
(意味が分からなかったらとにかく「\((f(x) – g(x) の最小値) >0\)を示す」と思えば大丈夫です)

不等式の証明の手順のまとめ

不等式の証明の手順をまとめます。

1、因数分解

2、\((f(x) – g(x) の最小値) >0\)を示す

数学Ⅱの最初に出てくる不等式の証明と微分で出てくる不等式の証明は別物ではない

数学Ⅱの数と式の分野と数学Ⅱと数学Ⅲの教科書の教科書の微分の分野で不等式の証明はでてきて別のもの見えると思いますが別のものではありません。

微分の分野で出てくる不等式の証明は因数分解ができない時は「\((f(x) – g(x)\)の最小値) >0\)を示す」をしています。

最小値を求める時に微分しないといけないだけです。

では具体的な問題で不等式の証明の手順を使います。

\(a < b , x < y\) が成り立つ時 ,\( 2(ax+by) > (a+b)(x+y)\) が成り立つ
ことを証明せよ。

まず\((a+b)(x+y)\)を左辺に移行して\(2(ax+by)-(a+b)(x+y)\)とします。

この式が0より大きくならないといけないのでまず因数分解を考えます。

式を展開して

\(2(ax+by)-(a+b)(x+y)\)

\(=2ax+2by-(ax+ay+bx+by)\)

\(=by-bx+ax-ay\)
となります。

そしてまず共通部分でくくるために式変形します。

\(=by-bx+ax-ay\)

=b(y-x)-a(y-x)

共通部分は(y-x)なのでこれでくくります。

すると(b-a)(y-x)です。

条件式より\(b-a > 0,y-x>0\)です。

よって\((b-a)(y-x)>0\)となり証明ができました。

次はこれです。

\(a^2+b^2+c^2 > ab+bc+ca\)を示せ。

\(a \neq b \neq c\) とする。

まず \(ab+bc+ca\)を左辺に移行します。

そして\(a^2+b^2+c^2 – (ab+bc+ca)\)が0より大きくなることを示します。

不等式の証明の手順はまず因数分解なので因数分解しようとしますが明らかにできません。

だから\((a^2+b^2+c^2 – (ab+bc+ca))\)の最小値 > 0を示します。

登場している文字が\(a,b,c\)の3種類ですがこういう時は\(a,b,c\)のどれかの文字の式と見ます。

\(a,b,c\)のどれも次数が同じで最高次数の係数も同じなので\(a\)の式と見ます。(\(b\)の式と見ても\(c\)の式と見てもいいです)

2次関数なので平方完成するために次数が高い順に書くと

\(a^2-(b+c)a+b^2+c^2-bc\)となります。

平方完成すると

\(a^2-(b+c)a+b^2+c^2-bc\)

\(=(a-\frac{b+c}{2})^2 – (\frac{b+c}{2})^2 + b^2+c^2-bc \)

\(=(a-\frac{b+c}{2})^2 +\frac{3b^2-6bc+3c^2}{4})\)

最小値は\(\frac{3b^2-6bc+3c^2}{4}\)となりますがこれが0より大きいかが分かりません。

だから符号の判断をしないといけないので因数分解です。

すると
\(\frac{3b^2-6bc+3c^2}{4}\)\(=\frac{3(b^2-2bc+c^2)}{4}\)\(=\frac{3(b-c)^2}{4}\)\(> 0\)

最後は微分でする証明です。

\(x ≧ 0\) のとき \(6x^2-9x ≧ x^3\) を示せ。 

右辺 \(x^3\)を左辺に移行して\(6x^2-9x-x^3 ≧ 0 \)を示しますがまず\(6x^2-9x-x^3 \)の因数分解を考えます。

すると\(6x^2-9x-x^3=\)\(x(-x^2+6x-9)\)となり因数分解ができなくなり証明ができません。

だから\((6x^2-9x-x^3)\)の最小値 ≧ 0 を示します。

だから\(f(x)=6x^2-9x-x^3\)と置きます。

最小値を求める際ですがf(x)は3次関数なので微分を使います。

\(f(x)=6x^2-9x-x^3\)

\(f'(x)=-3x^2+12x-9\)

\(x^2-4x+3 = 0\)

式を解いて\(x=1, 3\)

\begin{array}{c|ccccc} x & 0 & \cdots & 1 & \cdots & 3 &\cdots \\ \hline
f’(x) &  & + & 0 & – & 0  &  + \\ \hline
f(x) & 0 & \nearrow & 4 & \searrow & 0 & \nearrow \end{array}

よって\((6x^2-9x-x^3)の最小値 \)= 0となり

\((6x^2-9x-x^3)の最小値 \)≧ 0が言えるので

\(6x^2-9x ≧ x^3\)が成立します。

といったところです。

不等式の証明は練習をいっぱいしないとできるようにならないのでしっかり練習しましょう。