大学受験

数学Bのいろいろな数列の和やシグマ計算の学校では習えない解き方

2021年10月19日

「数列の和の求め方が分からないな〜教科書に載ってる様なめっちゃ簡単なら解けるけど応用している問題が解けないから模試で点数が伸びない。」といった悩みに当サイト(数がく部)の管理人かつ医学部受験予備校講師のuheiがお答えします。

私が受験生の時に数列の和の計算は教科書に載ってる簡単な問題なら解けましたが応用問題は「どうやるんだろう?」って感じで全く分かりませんでした

そして受験に失敗して予備校で勉強したのですがある先生が「数列の和はこう考えればいい」というのを説明してくれて「これはいいやり方だ」と思いました。

そして私が授業する側になってそのよかったやり方を説明しているのですが生徒からの評判がいいので今回説明します。

数列の和の計算が難しくなった時に上手く解くことができない人の助けになれば嬉しいです。

それでは説明します。

ただ記事を読むのではなく紙に解き方を書きながら記事を読んでもらえたらと思います。

数列の和の計算の手順。

今から説明する内容は意味が解らなかったら解き方だけ覚えても問題ありません、理由を知らなくても問題を解くのに支障はないです。

私は授業で↓と説明します。

  1. 等差数列、等比数列の和の公式や\(Σ\)の公式が使えないか考える。
  2. それができないなら差の形を作る。

①を考える理由は↓です。

例えば1+2+・・・+100となっている時に数列の和の計算は「・・・」を消すのが暗黙の了解になっています。

1+2+・・・100は\(\displaystyle \sum_{k=1}^{100} k\)なので\(Σ\)の公式を使えば「・・・」は一発でなくなりますよね、だからまず公式が使えないか考えます。

公式が使えなかったら「・・・」を消す事ができなくてある人がこう考えました。

「・・・」のどこかで同じ値の+と-を作って打ち消し合うことで「・・・」を消そう。

ここから差の形を作ることを見つけました。

差の形は教科書でよく見る↓です。

\(\displaystyle \sum_{i=1}^n \frac{1}{k(k+1)}\)
=\(\displaystyle \sum_{i=1}^n (\frac{1}{k}-\frac{1}{k+1})\)
=\(\displaystyle (\frac{1}{1}-\frac{1}{2})-(\frac{1}{2}-\frac{1}{3})+・・・+\)
\(\displaystyle \frac{1}{n-1}-\frac{1}{n})-(\frac{1}{n}-\frac{1}{n+1}\)
=\(\displaystyle \frac{1}{1}-\frac{1}{n+1}\)

だから数列の和の計算は「まず公式が使えないか考えてできなかったら差の形を作る 」と考えるといいです。

イメージが沸かないと思うので具体的な問題を通して説明します。

数列の和の考え方の例。

「\(\displaystyle \sum_{i=1}^n \log_{2}\frac{k}{k+1}\)を計算せよ。」

まず等差数列や等比数列の和の公式、\(Σ\)の公式が使えないか考えますが明らかに無理ですよね、だから「差の形を作ろう」と考えます。

差の形を作るために\(\log_{2}\frac{k}{k+1}\)を式変形して
\(\log_{2}k-\log_{2}{(k+1)}\)にして和を求めます。

解答を書きますので解答の流れを見てください。

[解答]

\(\displaystyle \sum_{i=1}^n \log_{2}\frac{k}{k+1}\)
=\(\displaystyle \sum_{i=1}^n (\log_{2}k-\log_{2}{(k+1)})\)
\(=(\log_{2}1-\log_{2}2)-(\log_{2}2-\log_{2}3)\)+・・・+
\((\log_{2}{(n-1)}-\log_{2}{n})\)
\(-(\log_{2}n-\log_{2}{(n+1)})\)
=\(\log_{2}1-\log_{2}{(n+1)}\)
=\(-\log_{2}{(n+1)})\)

これだと簡単に感じるかもしれないので次は入試の問題で解き方の説明をします。

入試に出ている数列の和の問題。

「正の数からなる数列\({a_n}\)に対し
\(T_n=\displaystyle \frac{a_{n+1}+a_{n+2}}{S_nS_{n+1}S_{n+2}}\)とする。
\(\displaystyle \sum_{i=1}^n T_k\)を\(S_1,S_2,S_{n+1},S_{n+2}\)を用いて表せ。」

数列の和を考える時にいい加減にやってるとこういう問題になった時に解けなくなります

まず等差数列や等比数列の和の公式、\(Σ\)の公式が使えないか考えますが明らかに無理ですよね、だから「差の形を作ろう」と考えます。

\(T_n\)に差を作る時ですが分母が\(S_n,S_{n+1},S_{n+2}\)の3つの積になっていていきなり説明しても分からないと思うので↓で説明します。

\(\displaystyle \sum_{i=1}^n \frac{1}{k(k+1)(k+2)}\)を計算せよ。

まず等差数列、等比数列、\(Σ\)の公式が使えないか考えますが明らかに無理ですよね、だから「差の形を作ろう」と考えますが分母は\(k,k+1,k+2\)の3つあります。

こういう時は「\(k(k+1)\)と\((k+1)(k+2)\)に分ける」と覚えていいです。

だから\(\displaystyle \sum_{i=1}^n \frac{1}{k(k+1)(k+2)}\)
=\(\displaystyle \sum_{i=1}^n (\frac{1}{2}\frac{1}{k(k+1)}-\frac{1}{(k+1)(k+2)})\)
・・・①
としてあとは\(k\)に\(1,2,3,・・・\)と代入していき計算するだけです。

\(\displaystyle \frac{1}{k(k+1)}-\frac{1}{(k+1)(k+2)}\)を通分して元に戻るか確認しないといけないですが
\(\displaystyle \frac{2}{k(k+1)(k+2)}\)となり分子に\(2\)があるのでつじつまを合わせるために①は\(\displaystyle \frac{1}{2}\)をかけています。

話を戻して解き方を説明します。

\(T_n=\displaystyle \frac{a_{n+1}+a_{n+2}}{S_nS_{n+1}S_{n+2}}\)ですが分母は

\(S_n,S_{n+1},S_{n+2}\)の積になっているので\(S_nS_{n+1}\)と\(S_{n+1}S_{n+2}\)に分けます。

分子が\(a_{n+1}+a_{n+2}\)になっているので「どうやるんだろう?」と思うかもしれませんが\(\displaystyle \frac{1}{k(k+1)}=\frac{1}{k}-\frac{1}{k+1}\)は分子が\(1\)ですよね。

だからこの場合もとりあえず分子を\(1\)にしてつじつまをあわせないといけない時は合わせます。

だから\(\displaystyle T_n=\frac{a_{n+1}+a_{n+2}}{S_nS_{n+1}S_{n+2}}\)
\(=\displaystyle \frac{1}{S_nS_{n+1}}-\frac{1}{S_{n+1}S_{n+2}}\)として通分して元に戻るかチェックしますがチェックは必ずしないとダメです、元に戻らなかったら間違いですから。

\(\displaystyle \frac{1}{S_nS_{n+1}}-\frac{1}{S_{n+1}S_{n+2}}\)
\(=\displaystyle \frac{S_{n+2}-S_n}{S_nS_{n+1}S_{n+2}}\)・・・①となります。

①の\(S_{n+2}-S_n\)ですが
\(S_{n+2}=a_1+a_2+・・・+a_n+a_{n+1}+a_{n+2}\)で
\(S_n=a_1+a_2+・・・+a_n\)なので
\(S_{n+2}-S_n=a_{n+2}+a_{n+1}\)となり①の分母と同じになっています。

よって\(\displaystyle \frac{1}{S_nS_{n+1}}-\frac{1}{S_{n+1}S_{n+2}}\)の\(Σ\)計算をすればいいですが残りは解答に書きます。

[解答]

\(\displaystyle\sum_{i=1}^n \frac{a_{n+1}+a_{n+2}}{S_nS_{n+1}S_{n+2}}\)
\(=\displaystyle \sum_{i=1}^n \frac{1}{S_nS_{n+1}}-\frac{1}{S_{n+1}S_{n+2}}\)
\(=\displaystyle (\frac{1}{S_1S_2}-\frac{1}{S_2S_3})\)
+\(\displaystyle (\frac{1}{S_2S_3}-\frac{1}{S_3S_4})\)
\(\displaystyle+・・・+(\frac{1}{S_{n-1}S_n}-\frac{1}{S_{n+1}S_{n+2}})\)
\(=\displaystyle \frac{1}{S_1S_2}-\frac{1}{S_{n+1}S_{n+2}}\)

といったところです。

数列の和の計算は今回は割とスパッと差の形ができて解けましたが考え抜いて差の形を作る時もあります。

数列の和の考え方をしっかり定着させて問題をいっぱい解いて安定して解けるようにしましょう。

数列は漸化式の解き方もありますが覚えないといけないパターンについて記事を投稿していますのでそれを読めば漸化式はバッチリ解けるようになります。